岡山県立図書館

トップページ 図書館ネットワーク 図書館職員の方へ 令和4年度 岡山県子どもの読書活動推進連絡会

令和4年度 岡山県子どもの読書活動推進連絡会 実施報告

テーマ

「すべての子どもたちに本の楽しさを伝えたい~支援が必要な子どもの読書活動を考える」

日時

令和4年9月7日(水) 10時30分~16時00分

会場

岡山県立図書館 2階 多目的ホール
及び Web会議システム「Zoom」を活用したオンライン

参加者

【来場】22名〈公共図6名、学校等7名(うち小学校4名、中学校2名、教育委員会等1名)、ボランティア4名、講師・取組発表者5名〉

【オンライン】10名〈公共図2名、学校等5名(うち小学校3名、中学校2名)、ボランティア3名〉

主催

岡山県教育委員会

概要

①岡山県における子どもの読書活動推進について

岡山県教育庁生涯学習課

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 県教育委員会は、中学生の読書の実態を把握し効果的な施策を検討する目的で昨年度「中学生の読書環境に関する実態調査」を実施し、学校での読書環境の充実が中学生の読書活動の推進には必要不可欠であると結論づけた。
 学校においては、一斉読書や学校図書館の授業での活用により読書に親しむ時間を確保することを推奨する。公共図書館や行政においては、学校図書館支援サービスの充実や、学校間、学校図書館と公共図書館間の連携に取組み、一体となって学校の読書環境の充実を目指す。また、読書が嫌いな中学生にとって、自ら積極的に読書に向かうことは難しい実態を踏まえ、学校での読書時間を確保し、本や本に関する情報を中学生の手元まで届ける状況を作ることで、読書のきっかけを提供し、読書活動の促進を図る。
 今年度は、来年度策定予定の第5次計画に向け、県内小・中学生及び高校生を対象に調査を実施しており、第4次計画の成果と課題を検証し、引き続き読書活動の推進に取り組む。



②取組発表

笠岡市立城見小学校

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 市立図書館との連携により児童が生まれた日の新聞を使用して誕生日新聞を作成したり、月に1度来る市の移動図書館車から学級文庫の図書を借りたりしている。また、児童の読書の幅を広げるため、担任や司書教諭、学校司書が選定した国語科の関連図書や発達段階に応じた文学作品を集めた「ゆめブックス」を各学級に設置し、読んだ冊数に応じてシールを張るなど可視化して読書意欲を高めている。
 普段の読書習慣づくりとして、中学校区スタンダードに示された1日の読書時間を確保できるよう音読カードに読書欄を設けている。また、保護者で結成された読書ボランティア「おはなし天使」との連携では、児童の興味関心に沿った本の読み聞かせやクリスマス会、3月には卒業する6年生に向けた「いのちのおはなし」など行事に関連付けて本に親しむことができる活動を行っている。
 他に、年に2回の校内読書週間では、「読書郵便」や「読書ビンゴ・クイズラリー」の実施や、児童朝会での校長による読み聞かせなどを実施している。



真庭市立中央図書館

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 2018年から旧勝山図書館が中央館となった。真庭市みらい計画の5つの柱のうち、『子どもの学びへの能動的な貢献』の事例について紹介する。
 1つ目は『市民とつながりながら』の取組として、コロナ禍でイベントが制限された中、工作、体を動かす遊び、読み聞かせなど家で楽しめる内容の動画を配信するYouTubeチャンネルを開設した。その他、プロのアナウンサーを講師に招いた「絵本の読み聞かせ講座」の開催や地域施設とのイベント「たまねぎ祭り」を開催し、子ども達が図書館とつながり、職場体験に発展した。
 2つ目は『学校や地域への支援』の取組として、R2年度から学校司書を全校配置し、学校図書館蔵書のデータベース化を実施中。R5年度には全校に蔵書管理システムを導入予定である。また、図書館見学の受入れや移動図書館により市内28か所を支援するほか、小学校等への配本事業などを行っている。児童書の充実には特に力を入れている。中央館ができて4年となり、市内学校司書との連携も強化され、子ども達の本に触れる機会が大幅に増えている。



おはなしグループ「そらきたホイ!」

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 子ども読書年(2000年)に立ちあげ、二人で、様々な相手にいろいろな取組みをしている。活動目標は、子どもが「自分の意志で自在に本を利用し、自分の望むものを得る読書」ができるようになること。そのため「自読の力を育む」支援を心がけている。
 私達は、子どもの読書を「読書の道のり」のようなものと捉えている。そこに様々な過程があり、中には進みにくい「段差」もある。ゆえに、それぞれの状態に合わせた適切な支援が必要と考える。例えば、幼い子どもに、読書の「共感の喜び」が持てるよう実体験を促すことや、文字に興味を覚える時期に、楽しい音読の練習機会を作ったり応援してやることなど、多岐にわたる。これには、多様な本や読む時間と場の確保、専門家である司書の配置など、総合的な環境整備が欠かせない。子どもの周囲の大人が協力し合い、それぞれの立場で実践することも重要だ。今後も、一人でも多くの子どもが楽しく進めるよう、様々な相手と協力しその時々に必要な支援をしていきたい。



岡山県立玉野光南高等学校(当日ご欠席)

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 玉野光南高校図書館の魅力は、本との出会いはもちろん、人同士の交流や情報の交換ができるところである。誰もが利用できる図書館として、出会うこと、発見することを意識した図書館運営を行ってきた。
 図書委員会では、読書会とよむよむフェアという図書館イベントを柱とし、図書委員同士や生徒の交流を目的とした企画を意識している。図書館コンサートや部活動作品展示などを通して、日頃自分の部活動や友達でなければ知ることのないところで、ほかの生徒も活躍、活動しているということを知る機会につなげている。また、図書委員が外に向けて発信する機会として、地域とのつながりも大切にしてきた。
 授業とのかかわりは多岐にわたっており、総合的な探究の時間や普通教科での調べ学習、グループワークなどの利用から、各科の特徴的な授業まで様々である。授業の取り組みもまた、できる限り成果物の展示や広報に掲載を行い、3科それぞれの授業をほかの生徒や教職員に紹介するよう努めている。



③岡山県視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する計画(読書バリアフリー計画)について

岡山県教育庁生涯学習課

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 読書バリアフリー法の成立を受け、令和4年3月「岡山県読書バリアフリー計画」を策定した。地方公共団体の計画については、法第8条のとおり努力義務とされているが、今後は県下の市町村においても計画策定が進むことを期待する。
 法第5条には地方公共団体の責務として、「地域の実情を踏まえ、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する施策を実施する責務を有する」と規定されており、更なる環境整備をお願いする。
 計画策定に当たり、本県の現状と課題を整理した。その課題をふまえ、視覚障害等のある人が利用しやすい書籍等のデータの共有化、点訳者や音訳者の養成、図書館施設のバリアフリー化、読書支援機器等の整備等、県立図書館、県視覚障害者センター、サピエ図書館等のサービス内容や利用方法を、広く県民に向け、あらゆる機会に周知すること等を施策の方向性として掲げている。本計画は、第1期計画として令和4年度から4年間の当面の方向性を示したが、今後、国において、より具体的な目標や達成時期の検討や定期的な評価が行われるため、それに合わせて本計画の見直しを検討する。



④講演『読書に障害のある子供たちのために図書館や学校図書館は何ができるのか』

埼玉県立久喜図書館
佐藤 聖一 氏

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 読書に障害のある子供たちには、視覚障害、発達障害・知的障害者、肢体不自由者などさまざまな理由があるが、発達障害等の子供は特別支援学校の対象とならないことも多い。例えば、ディスレクシアという学習障害は、目が見えて知的にも障害はないが、文字がうまく読めないというものだ。読めないから、結果的に勉強ができないことになる。この障害を持つ者は、人口の5%以上おり、欧米ではもっと高い割合が存在するとも言われている。読書に障害のある子供の話は、特別支援学校だけの問題ではなく、全ての学校に関係がある話だ。
 このような子供たちは、自分が読書に困難な状態にあることを知らないということがある。また、親が障害を認めたくないというケースもある。
 読書スタイルには、様々なものがある。大きな文字の読書、耳で聴く読書、触る読書、耳と目で読む読書、やさしくわかりやすい内容の本で読書などだ。今後は、アクセシブルな電子書籍も出てくるだろう。どの資料を使えば読書ができるかは人により違う。読書は単に本が読めてよかったというだけではなく、学習そのものができるかどうかということであり、その子にとって一生の問題だ。『その子に合う読書スタイルを見つけてあげること』、これが私たちの最大の使命だ。
 障害者は情報障害者である。そもそも障害者が使える形の資料が販売されていなかったり、情報機器が使いにくかったり、知らない、高価であるなどの理由で買えなかったりする。これを何とかできるのが、図書館である。点字図書館やライトハウスとも呼ばれる視覚障害者情報提供施設は、「重度の」視覚障害者のための専門図書館である。学校図書館はどうか、資料が揃っているか、埼玉県の例を見ても非常に厳しい状況ではないだろうか。文庫活動やボランティアも数が少ないのではないか。障害者自らインターネットを使って自分で情報収集をする方法もあるが、そのために適した資料を知らない、入手方法を知らない。ICT機器が使いにくい。こうした理由から、障害者は情報障害者である。
 公共図書館の障害者サービスの特徴は、対象となる利用者が幅広く、サービスの資料や方法が多彩なところにある。しかし、障害者サービスの実施率は低く、地域差も大きい。全公図の調査などでも、一定レベルの障害者サービスを実施しているところは2割以下という結果もあり、サービスの質にはばらつきがある。点字や録音の図書を購入し、配架しただけでは利用はない。
 『障害は障害者にあるのではなく、図書館のサービスにこそある』これは30年前に先輩が言っていたが、誰もが使えるようになっていない図書館サービスがおかしいという考え方で、当時とても先進的だった。公共図書館の役割は、すべての人にすべての資料やサービスを提供することだ。こうした社会を実現するために、いわゆる読書バリアフリー法が成立した。
 具体的に、公共図書館ができることを挙げると、障害者サービスのデイジーなどの資料は、製作せずとも無料で他館から借りることができる。著作権法第37条第3項で製作した資料が利用できる人(視覚障害者等)かどうかはわからない場合は、日本図書館協会のガイドラインで利用登録を判断するためのチェックリストを作っているので確認してほしい。障害者サービス用資料のデータベース・検索サイトも2つ(サピエ図書館・国立国会図書館の視覚障害者等用データ送信サービス)ある。これを利用し、所蔵館を検索して相互貸借を依頼すればよい。公共図書館同士なら郵送料は無料だ。また、「りんごの棚」(スウェーデンの図書館が始めた取組)として、さまざまな障害者サービス用資料を展示して、障害者にだけではなく、市民に見てもらい、知ってもらい、触ってもらうことも大切だ。
 学校図書館でも、ちょっとずつでよいので、障害者サービス用資料を置いて、子どもたちがいつでも触れるようにしておく。パソコンやタブレットを置いて、デイジー等の資料を体験できるようにする。すべての子どもに体験してもらうことで、その子に適した読み方を見つけてあげられるかもしれない。それには、先生の理解がないとできないので、学校全体で連携することが大切だ。



(お問い合わせ) 
岡山県立図書館 図書館振興課 図書館支援班
TEL 086-224-1269 
FAX 086-224-1208 

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