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令和元年度 岡山県子どもの読書活動推進連絡会 実施報告

テーマ

「子どもの未来は読書活動から」

日時・会場

令和元年8月9日(金) 10時~15時45分
岡山県立図書館 2階 多目的ホール

参加者

86名(公共図19名、教育関係者47名(うち高校4名、中学校16名、小学校19名、教育委員会8名)、ボランティア16名、発表者4名)

主催

岡山県教育委員会

概要

①岡山県における子どもの読書活動推進について

岡山県教育庁生涯学習課

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 第4次岡山県子ども読書活動推進計画策定(H31.4~)。
 子どもの読書活動推進に関する法律に基づいて策定、5年計画で実施する。
第3次計画での成果は、①一斉読書を週1回以上行っている学校の割合は小・中学校は高く、高校は伸びている。 しかし、小学校の朝の一斉読書は、朝の学習に変わってきており、減少傾向にある。 ②県内の読書グループが増加し、ボランティア活動を行う人も増加したことが関係して、児童・個人貸出冊数も伸びている。 全国学力・学習状況調査の児童生徒質問紙によると、県内の「読書好き」の児童生徒の割合は、全国に比べて高い。 ③県立図書館では、学校セット図書、協力貸出の利用を拡大し、市町村立図書館の司書等への研修の機会も拡大している。
 課題として、①中・高校生の不読率が高い傾向にあり、目標にしていた半減に至らなかったこと、②市町村の子ども読書活動推進計画の策定率が100%に至っていないことがあげられる。
 第4次計画では、不読率の半減、市町村の子ども読書活動推進計画の策定率100%を目標とする。
 課題への対策として、①不読の解消に向けて、読書習慣の形成のため図書館資料の活用、児童、生徒の自主的な読書活動の支援を行う。 平成29年度全国学力・学習状況調査の学校質問紙によると、県内の図書館資料を活用した授業を学期に数回程度以上行った学校の割合は全国に比べて低く、更なる学校図書館の利活用が必要である。 また、読書に対する関心を高めるため、子ども同士による図書紹介は有効である。 ②市町村の子ども読書活動推進計画の策定率が100%に至っていないことについては、市町村の人員不足、専門家不足という課題はあるものの、策定に向け、県からも働きかけを行う。



②取組発表

新見市立塩城小学校

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 「新見市立塩城小学校の取組」と題して発表していただいた。塩城小学校は児童数が36人の学校である。 学校図書事務職員が月2回勤務をしている。毎学期の読書目標を1,300冊としていて、平成30年度は年間で4,310冊、1人あたり平均127冊の本を読んだことになる。
 具体的な取組として以下の紹介があった。 ①毎月第3週は「いきいき読書週間」とし家庭と連携して読書の習慣化を図っている。 チャレンジカードを活用し、生活リズムや家庭学習と関連づけた30分以上の家庭読書を習慣化している。 ②学級文庫を活用し学年に合った本を30~40冊揃えている。 各学年の読書の目標冊数を達成した児童を表彰、及び児童のおすすめ本の紹介を行っている。 ③昨年9月下旬から「読書手帳」を作成し活用している。低学年用と中・高学年用に分け、オリジナルの手帳を作成した。 ④学校支援ボランティアが読み聞かせを年6回行っている。 また、学校図書事務職員や図書委員会による読み聞かせを、低学年を対象に行っている。 ⑤学校図書事務職員や児童による「お薦めの本」コーナーを設置した。 ⑥春の遠足で新見中央図書館に出向き、読書に親しむ時間をつくった。 ⑦朝読書、移動図書館車の利用等を行って読書活動の充実を図っている。



和気町立佐伯小学校

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 「図書館の取り組み」と題して発表していただいた。 児童数は91名の学校である。
 学習支援及び教員との連携として、学校図書館教育全体計画と年間指導計画を作成し、年度当初に教員に説明している。 併せて1年生~6年生の各単元ごとに必要な図書資料を記したファイルも活用している。 教員からのレファレンスには、連携実践シートを使い、教員の要望する資料を揃えている。
 佐伯小の図書館活動として、図書かるたやおすすめの本の紹介、としょかん屋台、おみくじ大会等が行われている。 図書館に入った新しい本を読んで感想を書き紹介する「本のモニター!」は好評だった。 POPコンテストを行い、ポプラ社のコンテストにも応募した。
 また、地域グループや中学生による読み聞かせや教員による読み聞かせ「おはなしの部屋」についても取り組んでいる。
 2年生から6年生全員を対象とした、学校独自で行っている「としょかん検定(級)」や夏休みのイベントなど、その他様々な取組を行っている。
 年度末に「データで見る佐伯小学校図書館」として教員と保護者に向けて分析結果を配付している。



岡山県立倉敷商業高等学校

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 「図書館の取組について」と題して発表していただいた。生徒数は960名の学校である。
 生涯を通じて学び続ける人とは、読書習慣が身についており、情報センターとしての図書館を活用する習慣・力を持っている人であると位置づけ、図書館へ来館する仕掛け作りを行っている。 具体的な取組として展示、掲示に力をいれており、館内に10種類前後の展示を行っている。 また、ポイントカードの活用や、図書委員等がPOPの作成を行っている。
 文化祭、読書週間、古雑誌市等の各種行事も実施している。さらに広報で図書館便り、新着図書案内などの他、行事の前にはチラシを作り配付している。
 授業支援として①図書館での授業②図書館の資料を使い教室で授業③授業内容に関連した本の展示などを行っている。 1つの事例として、1年生の国語の授業でビブリオバトルの実施や1年生の図書委員を運営の中心としてディベートなどを行っている。
 司書教諭が中核となり、生徒、司書、教職員をつないで、協働して取り組む体制を作っている。



ボランティア おっはなし会

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 2001年に会が発足して、津山市立図書館と津山市内の2つの小学校で読み聞かせを行っている。 津山市立図書館では、2008年から月例の読み聞かせを行っている。
 図書館行事へも参加をして、昔話絵本を読んだり、4月の子ども読書週間には、春のおはなし会を行い、小さな生きもの達の世界など、テーマを決めた読み聞かせを行ったりしている。
 小学校では、絵本の読み聞かせのほか、ストーリーテリングにも取り組んでいる。 8年前からは、小学2年、3年生を対象に2学期、3学期に、津山ストーリーテリングの会と一緒にストーリーテリングの語りを行っており、現在は4年生にも広がっている。 一方、独自の取組として、毎週1回、各クラスに2名ずつで行き、読む人と、子どもと一緒に聞く人、というスタイルを取って、朝の読み聞かせを続けている。 毎年、事前に担任教員との顔合わせを行い児童の様子や日程について相談している。 読み聞かせ後は、全員で振り返りや記録の共有を行う。 このほか、月例で会員相互の勉強会を実施していることや、子どもたちに読み聞かせを行う際の選書の重要性についてなど、「おっはなし会」の活動状況や活動方針の紹介が行われた。



③講演『子供の読書活動をいかに支えるか:全国調査から見えてくること』

群馬大学教育学部 准教授 濱田 秀行 氏

発表の様子

 全国調査から分かったこととして、まず、成人調査について解説が行われた。 調査結果からは、子どもの頃の読書活動が充実していると、成人になってからの読書活動が充実している傾向があること、大人としての意欲、意識、行動などについての自己評価の高さも4分の1くらいは、子どもの頃の読書で説明できることがわかったとのお話があった。
 子どもの頃の読書の充実は量を読むことだけでなく、様々なジャンルを読むこと、周囲に本に関わってくれる人がいることが大切で、子どもの頃の読書活動が、その後の何十年にも渡って影響があることを踏まえると子どもに対する読書活動の推進はとても大きな意味のある活動であるとのことであった。
 また、学校図書館に期待される機能について①読書センター②学習センター③情報センター、それぞれの役割の必要性についてのお話があった。 その中で②に関して、「主体的・対話的で深い学び」について取り上げて具体的に説明が行われた。
 「主体的・対話的で深い学び」の学習観として、子どもは独力で出来ることを必ず持っている。 その外側には可能性の領域をさらに持っている。 授業の中で、出来ない課題にぶつかって考えることが主体的な学びのスタートであることなどのお話があった。 独力では解決できない課題に他者と共に取り組みながら、言葉を交わすことで人は学ぶのであり、こういった取組を実践するために図書関係者は教科教育の教員と連携を図る必要があるとのことであった。
 最後に、子どもの読書活動と学校図書館について、平成28年度に行われた、「子供の読書活動の推進等に関する調査研究」の全国調査が行われ、学校や家庭の環境が読書活動に影響を与えること、学校図書館の魅力が小中高等学校全ての段階において大きな影響を持っていることが、実証的データで証明されたことについてのお話があった。  全体を通して参加者は様々なデータを基に、子供の読書活動をいかに支えるかについて多くのことを学んだ。



④情報交換・意見交換

 16グループに分かれて、本日の取組発表を聞いて、それぞれの立場から支援できる連携や取組を考えてもらった。 できるだけ異なる立場の者同士でグループを作り意見や情報の交換を行った。
 また、最後に支援できる連携や協力についてグループごとに簡潔にまとめ、発表を行った。



(お問い合わせ) 
岡山県立図書館 図書館振興課 図書館支援班
TEL 086-224-1286  
FAX 086-224-1208