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平成30年度 岡山県子どもの読書活動推進連絡会 実施報告

テーマ

「本で広がる笑顔と人の輪」

日時・会場

平成30年11月28日(水) 10:00~15:45
岡山県立図書館 2階 多目的ホール

参加者

68名(公共図17名、教育関係者36名(うち高校6名、中学校12名、小学校14名、教育委員会4名)、ボランティア7名、発表者8名)

主催

岡山県教育委員会

概要

①岡山県における子どもの読書活動推進について

岡山県教育庁生涯学習課

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 第3次岡山県子ども読書活動推進計画(H25年~)では、①学校等における子どもの読書活動推進②家庭教育への支援及び子どもの読書活動を支える人材の育成・協働③県立図書館の機能を生かした子どもの読書活動推進の3点を重点的取組と掲げ、取組を推進してきた。
 各取組によって、県内の子ども読書活動は進んできたが、中・高校生の不読率の高さと市町村の子ども読書活動推進計画の策定率が100%に至っていないことは、主な課題と捉えているため、それぞれの課題に対する対策を説明した。
 現在、「第4次岡山県子ども読書活動推進計画」を策定中で、11月22日から12月21日までパブリック・コメントを実施しているので、詳細は御確認いただきたい。



②取組発表

久米郡美咲町立美咲中央小学校

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 「久米郡美咲町立美咲中央小学校の取組」と題して発表していただいた。児童数が177人の学校である。図書室は学校の中心に設けており、児童が本に親しみやすい環境となっている。
 読書に親しむための取組として、朝読書や昼読書、読書カードなど、様々な取組を行っている。昼読書とは、当番以外の児童が給食の配膳が終わるまでの隙間時間を活用して読書する取組である。
 美咲町立中央図書館とも連携しており、定期的に図書館司書が勤務し季節毎の展示やおすすめの本を選定するなどの取組をしている。また、ボランティアやPTA等の様々な立場の人とも連携し読書活動を行っている。
 まず教員が読書に対する共通理解を図り、全校を挙げて児童が本を手に取る機会を増やすことに力を入れている。このことが、児童の読書に対する意識に変化をもたらし、貸出冊数も増加しているなど、教員の意識の向上が本好きな児童を育てることに繋がっている。



久米南町立久米南中学校

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 「久米南中学校の読書活動の取組について」と題して発表していただいた。生徒数は113名の学校である。新築4年目である校舎の2階にある図書室は、一年生の隣の教室にあり、明るく書架を低めに設計している。蔵書数は9,063冊である。
 主な活動としては、定期的に朝読書、図書館だよりの発行、生徒会図書委員による図書委員会だよりの発行や掲示物作りなどである。また、生徒がおすすめ本のイラストを描いたり、しおりコンテストを行ったりしている。授業での図書室利用も随時行っている。
 久米南中学校区の取組である「ノーメディア週間」と連携して学期毎におすすめの本を展示している。この期間は地域全体でメディアとの関わり方について考える期間である。
 生徒会図書委員会と司書と教員など様々な立場の人と連携して、図書室が親しみやすい空間となるように様々な工夫を重ねている。



岡山県立倉敷青陵高等学校

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 「岡山県立倉敷青陵高等学校 図書館の取組」と題して発表していただいた。本や図書館を利用する中でその魅力や利便性に気づき、生徒が自ら本を選び取るスキルを身に付けて進路実現や学問に繋げていけることを目標としている。
 図書館を「学び方」を学ぶ場所として機能させるために、総合的な学習の時間には教員と司書が連携し、信頼できる情報の入手方法や情報の整理方法等を計画的に学ぶ機会を作っている。
 多分野、多ジャンルの本に関心をもってもらうことを目指した展示をしたり、ポイントカードを導入したりすることで、図書館や本の利用アップに努めている。
 また、図書委員会も活発に活動しており、多くの生徒が図書館に足を運ぶイベントなどを工夫し実施している。倉敷中央病院などでの展示活動も行っている。
 生徒が楽しみながら本や図書館を生涯にわたって活用できるよう、司書、教員、図書委員などが協力して活動している。



奈義町立奈義図書館

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 「奈義町における子どもの読書活動推進の取組」と題して発表していただいた。半径2㎞以内に施設が集約しており、色々な施設との連携・協力が可能である。
 おはなしのへややおはなし会、ブックスタート等全ての年代の子どもが本と関われるように定期的に取組を行っている。子どもが対象となるイベントだけでなく図書館フェスティバル、秋の読書マラソンなど大人も一緒に参加できるイベントを行っている。
 また、小・中学校との連携として、年齢に応じた図書館だよりを配布したり、システム連携による相互貸借ができる。奈義町現代美術館との複合施設であるため美術館のイベントに参加することで、幅広い年齢層の方に図書館にも足を運んでもらっている。また、交付金を用いて子どもの読書に係る事業を行ったり、様々な組織と連携してイベントを行っている。本の楽しさを知り世界が広がって欲しいという願いのもと、いつでも本に触れ合える環境を作っている。



ボランティア きいろいたんぽぽ童話の会

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 きいろいたんぽぽ童話の会の取組を発表していただいた。昭和60年に岡山市で第1回岡山市文学創作講座があり、その有志5人が集まって昭和61年に発足した。
 主な活動としては、月一回の例会で絵本や童話の創作、合評及び研究をしている。また、「えほんのじかん」に子どもたちへの絵本読みの実演や、その後に反省会を行っている。会員は個々に絵本読みのボランティアとして活動している。本に触れ合うだけでなく、感性を磨くためにフォトクラブの写真に詩をつけ展示会に参加している。
 これまでに延べ900冊の絵本を読んでいる。絵の力、言葉の力、声の力のすごさを実感しているとのこと。絵本読み終了後に、感謝の気持ちを込めて折紙を渡しながら親と会話する。その中で子育ての困り事等を聴くことで親の心に寄り添うように心がけている。
 子どもたちに絵本を読むことを通して、子どもやその親を温かく包み込む居場所であり続けたいと強く思いながら活動を続けている。



③実践報告『有田川町の図書館の取組~笑顔あふれる絵本のまちの実現を目指して~』

有田川町教育委員会 社会教育課 文化情報班
班長      青石 賢治 氏
司書(副班長) 杉本 和子 氏

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発表の様子

 本が読めるカフェ-地域交流センターALEC-を中心とした有田川Libraryの設立までの道のりや、絵本コンクール、絵本原画展、休校中の小学校を使ったお化け屋敷など、絵本を素材にした取組と町づくりについて報告していただいた。
 有田川町は、人口約27,000人、面積351.84㎢の町である。子どもたちの溢れんばかりの笑顔と子育てができる環境の実現のため、町全体で「絵本のまちづくり」に取り組んでいる。
 町内には、4つの図書施設及び1つの移動図書館があり、それぞれの図書館に特色を持たせている。有田川町立金屋図書館は児童サービスの中心施設、有田川町地域交流センターは地域の交流の拠点施設、清水コミュニティセンター図書室は図書館の分館としての施設、移動図書館ひまわり号は町内全域へのサービス提供を行っている。
 いち早く、ブックスタートやブックカフェ(ケーキや飲み物を摂りながら本を読めるカフェ)、絵本の読み聞かせ活動などに取り組んでおり、全ての年代の子どもたちが、本に触れ合える環境を整備している。また、小さな駅美術館での絵本の原画展示や休校を活用したお化け屋敷など多くのユニークなイベントも開催している。
 学校図書館のICT化も進んでおり、学校と公共図書館を結ぶネットワークも構築している。また、学校図書館と公共図書館を一体化することで、学校図書館に司書配置が難しいと考えられた地域にも司書を配置することができた。
 従来考えられてきた図書館サービスの枠を超えた様々な取組により、子どもたちの身近に本が存在する環境を整備することで、まち全体の活性化を図っていることを参加者は学んだ。



④情報交換・意見交換

 最後に参加者同士で情報交換・意見交換を行ってもらった。グループで話すという形をり、できるだけ異なる立場の者同士で意見交換できるようにした。また、途中でグループを移動してもらい、別の参加者とも話す時間を設けた。非常に活発な意見交換がなされ、参加者からも「色々な方と情報共有ができ、とても有意義な時間だった。」といった声が寄せられた。



(お問い合わせ) 
岡山県立図書館 図書館振興課 図書館支援班
TEL 086-224-1286  
FAX 086-224-1208