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平成29年度 岡山県子どもの読書活動推進連絡会 実施報告


テーマ

「本を読むって楽しい!~子どもの読書を広げよう~」

日時・会場

平成29年8月9日(水) 10:00~15:45
岡山県立図書館 2階 多目的ホール

参加者

65名(公共図12名、学校32名《うち高校2名、中学校15名、小学校15名》、
    ボランティア12名、教育委員会など9名)

主催

岡山県教育委員会

概要

①岡山県における子どもの読書活動推進について

岡山県教育庁生涯学習課

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 平成25年3月策定の『第3次岡山県子ども読書活動推進計画』は、「自ら本を読み、読書を通じて自分の生活をより豊かにできる子どもを育てる」ことを目的としており、1ヶ月に1冊も読まない子どもの数の半減を課題としているが、小学生は目標を達成した。
 乳幼児をもつ保護者を対象に、地域での家庭教育支援に活用できる参加体験型の学習プログラム集である親育ち応援学習プログラムを作成した。親子で楽しい時間を共有し、親子の絆を深める手段の1つとして「読み聞かせ」があることを理解してもらう、図書館を利用してみようという気持ちをもってもらうことがねらいである。 「読書手帳」を作成し、小中学校活用希望校へ配布するとともに県立図書館でも配布した。また、乳幼時期からの読書環境の整備を図るため、家庭での読書活動を啓発・支援する手引きとして「親子の読書活動ガイド」を作成した。



②取組発表

新見市立神代小学校 教諭 横内 義美氏

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 「神代小学校の読書活動の取り組み」と題して発表いただいた。新見市立神代小学校は岡山県北西部新見市に位置し、児童数は47人である。読書の質と量の確保に向けた取り組みとして、ポイント制による百冊読書や朝読書、並行読書、家庭読書などによる読書の場の設定と習慣化、読書意欲を高めるために校内や外部で活動をしたりと、様々な取り組みを行ったという。
 その成果として、昨年度は全員が百冊読書を達成したことで、全員が読むことが当たり前の雰囲気を作ることができた。また毎月ポイントの一覧表を担任に提供することで、記録のし忘れに気付いたり、意識の薄れている子への声かけなどができてさらに読書が進むようになったとのことである。全員が百冊読書を達成したというこれらの取り組みは参加者にとっても参考になったと思われる。



岡山県立大安寺中等教育学校 司書 大園 京子氏

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 「岡山県立大安寺中等教育学校の取組」と題して発表していただいた。大安寺では多彩な本が展示されており、本だけでなく授業成果物も展示されている。「図書館をギャラリーに」ということで、夏なら涼やかな感じを出すなど季節感も意識して展示がされている。ほかにも卒業生の著作も展示されている。
 また、キャパ不足を補うために、書架の横の隙間や書架の側面、館内の柱面などを活用し、様々なところで展示を行ったり、図書館前の廊下の掲示と館内展示を連動させたりしている。
 隙間を活用することや季節感を出す展示などで、人を呼び込む工夫を知ることができ、参加者にとっても良い参考になるのではと感じた発表であった。



浅口市立鴨方図書館 司書 明賀 剛氏

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 「地域図書館が果たす役割~学校・ボランティア・図書館~」と題して発表していただいた。鴨方図書館には図書館と学校の2つの“現場”があると紹介された。図書館では読み聞かせや年3回開かれるお楽しみ会などがあり、学校では出張おはなし会を行っている。
 また、学校と図書館の連絡会を年1回開催しており、学校での読書状況や学校図書館での取り組みなどを共有している。図書館の役割は、学校、図書館、ボランティアとを「つなぐ」こと。そして、学校に対しては朝読支援や団体貸出、ボランティアに対してはスキルアップ講座や相談などで「支える」ことと紹介された。
 「つなぐ」、「支える」といった観点から地域図書館が果たす役割の大切さを再認識することができた発表であった。



やなはらおはなし倶楽部 ボランティア 寒竹 美穂氏 田口 知恵氏

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 やなはらおはなし倶楽部の取り組みを発表していただいた。「やなはらおはなし倶楽部」は平成12年4月28日に、絵本や児童書に重きを置いた町立柵原図書館が開館したのをきっかけに、図書館ボランティアが募集された。その中で、読み聞かせをしていたメンバーが集まり、平成13年に誕生した。現在は9人のメンバーで活動している。活動内容は様々であり、町立柵原図書館で月1回開かれているおはなしどんぐりころころ会や、小学校や保育園での読み聞かせも行っている。
 これからは、「地味に地道にこつこつと…」ということで、現在している活動を絶やさずに続ける、それぞれの活動の内容を充実させる、メンバーの学び合い、相互交流などを行い、目の前のことを一つ一つ丁寧に取り組んでいきたいとのお話であった。



瀬戸内市立邑久中学校 教諭 山本 龍一郎氏 司書 米田 弥加氏

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 「瀬戸内市立邑久中学校の取組」と題して発表していただいた。学校支援地域本部事業での取り組みとしては環境整備支援や学習支援、見守り支援、校内美化などが行われている。また、地域ボランティアによる読書活動支援では、読み語り、保育園訪問、図書委員との交流会参加、ビブリオバトルなどが行われている。
 生徒集会では読書ボランティアとの活動報告を行い、また、おもしろ読書事典の設置、古本市への参加、岡山県読書手帳の記入、小学校おはなし会の補助など外部活動の取り入れをしたりと、読書支援活動は広がっている。
 地域と学校のつながりができたことが大きな成果と話されており、地域と関わることの大切さを改めて感じることができた発表であった。



③講演『本って、楽しいって伝えたい!』

元大阪府立図書館司書 脇谷 邦子氏

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発表の様子

 脇谷氏からは、『本って、楽しいって伝えたい!』と題して次のことを話していただいた。まず、読書活動を阻害する大きな要因として、生まれながらに多様なメディアに取り囲まれていることによる活字離れ、社会変化の激しい時代、ストレスの多い社会、忙しすぎる日常が挙られた。また、活字を読むということは、文字という記号の羅列から、記号の表すイメージを自分の中で創りだしていかねばならないためしんどい行為であるとも話された。活字メディアは意思をもって読もうとしない限り、頭に入って来ないメディアであるとしながらも、ほかのメディアにない良い面があるとも話された。
 そして、子どもに読書の楽しさを知ってもらうためには仕掛けが必要とし、これはずっと読書を続けるにも必要なことだと話された。仕掛けというのは、読み聞かせ、ブックトーク、アニマシオン等で、そういう仕掛けを作らないと今はなかなか本を読めるようにはならないとした。
 さらに、子どもに本を手渡す人が必要とも話された。本があるだけでは、子どもに本は届かない。一人一人の子どもに適切な本を手渡し、読むことを励まし、薦める人の果たす役割は大きいとし、本というのは、子ども一人一人の成長を助けると話された。
 そして、読書の楽しさを伝える、広げるためには、本をとおして、子どもに楽しさとワンダーを知ってもらうことが肝となる。活字メディアを読む力がないとこれからの人生はしんどいし、これらを読み取る力を持たないと不利であるため、一人一人と手をつないで本は楽しいと伝えることの大切さを話された。
 本の楽しさを伝えることについて様々なことを知ることができた講演であった。



④情報交換・意見交換

 最後に参加者同士で情報交換・意見交換を行ってもらった。グループで話すという形をとったが、最初から最後まで同じ人同士で話すのではなく、途中グループを移動してもらい、別の人とも話す時間を設けた。話し合っている様子には非常に活気があるように感じ、参加者からも「情報交換が楽しかった。」、「たくさんの情報がいただけた。」といった声が寄せられた。



(お問い合わせ)
岡山県立図書館 図書館振興課 図書館支援班
TEL 086-224-1286  FAX 086-224-1208