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第4回 県立図書館とことん活用講座
 「備前焼を楽しもう!」

日時・会場・講師・参加者数

日時・会場

平成23年9月25日(日) 14:00〜16:00、
岡山県立図書館2階 デジタル情報シアター

講師

鈴木 力郎(すずき りきお)氏(岡山県立博物館学芸員)

参加者数

43名

講座の内容

 以下のように、備前焼の歴史をたどりながら楽しみ方を説明された。
 備前焼前史としての平安期には、朝鮮からの須恵器を源流とする焼き物が、寒風(牛窓町長浜)および長船町などで生産されていたが、燃料(赤松)に恵まれる熊山山中へ向かう香登・伊部へと生産地が移動した。このころの焼き物は焼成温度が低いので焼き色がグレーであった。
 鎌倉期には、だんだん焼成温度が高くなり、土の成分も鉄分が高くなり、焼き色に赤茶色が混ざってくる。備前焼の基本的な形に壺・甕・擂鉢(すりばち)があるが、壺の口径部は時代が下るにつれて頑丈になってくる。土は山土を使っているので、石爆(いしはぜ)のある作品が多い。
 室町期には、流通が盛んになり窯が熊山山中から麓に降りてきた。物流の盛んな様子としては、「備前かがつ(擂鉢のこと)は投げても割れぬ」という言葉や、『一遍上人絵伝』の「福岡の市」場面に表れている。
 安土桃山期には、協同組合体制で大窯を使用して大量に焼くため、目印として窯印が登場した。大甕、壺などに混じり茶陶が増産された。
 江戸時代には、茶陶の世界で綺麗な釉薬ものにおされて新たな手法を模索するようになり、伊部手(磁器の肌理の細かさを陶器で実現しようとしたもの)、細工物、彩色備前、白備前が出てきた。

 最後に、それぞれの時代の特徴や技法の紹介とともに、備前焼の楽しみ方として、鑑賞陶器にとどまらず日常生活に使って、歴史の深みや技法の良さを知ることになると総括された。
 また、講座の後半に入る前に、鎌倉期、室町期、安土桃山期の特徴が出ている陶片を参加者に触ってもらいながら説明された。備前焼の手榴弾(実際には使われずに作られただけ)も紹介があり、華やかだけではない備前焼の歴史の一面も説明された。

 ソフトな語り口での説明や、多くの写真で備前焼の歴史や技法についての紹介が好評であった。また、実際の陶片や手榴弾などを参加者が触れることのできる講座であった。アンケートにも、帰ってから自宅の備前焼を楽しんでみたいといったご意見や、講座の2回目を希望するご意見があるなど、参加者の講座に対する高い満足度がうかがえた。

 なお、備前焼に関する図書の展示や、現代作家による備前焼作品展示を行った。鈴木氏の講座に先立ち県立図書館郷土資料班隈元によるミニ講座「郷土資料の探し方 〜備前焼を例に〜」を15分程度行った。


<講座の様子>

「備前焼を楽しもう!」画像1 「備前焼を楽しもう!」画像2


「備前焼を楽しもう!」画像3 「備前焼を楽しもう!」画像4


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