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第5回 県立図書館とことん活用講座
 「
ストーリーテリング〜楽しいおはなしの世界〜」

日時・会場・講師・参加者数

日時・会場

平成22年10月2日(土) 14:00〜16:00 (開場13:30〜)
岡山県立図書館2階  サークル活動室

講師

筒井 悦子(つつい えつこ)氏
          (岡山ストーリーテリング研究会代表)

参加者数

40名

講座の内容

 ボランティアとしての長年の経験をもとに、おはなし会にまつわるエピソードや、子どもの育ちへの思いなど交えながら、ストーリーテリングの成り立ちや特徴、「おはなし」の魅力について語っていただいた。

(1) ストーリーテリングとの出会い
  ストーリーテリング研修会で初めて出会い、現在まで、家庭文庫、県立・市立図書館、小・中学校、幼稚園、老人ホーム、病院、若妻の会など様々な所で「おはなし」を語ってきたこと。

(2) ストーリーテリングとは
 ストーリーテリングは、子どもの読書活動のために、欧米の図書館で始まった。おはなしを覚えて語るところが、昔語りとは違う。覚えるおはなしは、昔話が多いが、創作の話もある。子どもは、耳から聞いて興味を持ったおはなしであれば、それを文字として読むことに抵抗が少なくなる。本を読んだ子は、聞いたとおりのことが書いてあったと妙に納得する。

(3) ストーリーテリングの実演
  「3びきのこぶた」(石井桃子編著『イギリスとアイルランドの昔話』より)
  「馬子と山んばばあ」(稲田和子・筒井悦子共著『子どもに語る日本の昔話@』より)
  「あなのはなし」(東京子ども図書館発行『愛蔵版おはなしのろうそくC』より)

(4) ストーリーテリングの魅力とは
 語られた言葉を聞いて、自分の頭の中に場面を描いていくので、聞き手の経験の範囲内でイメージを膨らますことができる。同じ話を聞いても、描いているイメージはひとりずつ違ったものになる。また、語り手と聞き手の間に何もないので、聞き手の反応がよくわかるし、その場に一体感が生まれる。知らない人同士でも、話を聞いた後では、前からの知り合いだったような感じになり、場の雰囲気が和むことが多い。人間同士の心の通い合いが自然とできる。

(5) ストーリーテリングのもとになる「昔話」
  昔話は、親から子や孫へ、地域の大人から子どもへと語り継がれてきたものである。たくさんの話が語られてきただろうが、人間のありようや知恵を含んでいたり、普遍的であったり、いつの時代にも通じる話が今でも残っているのだろう。昔話は、口承文芸であることから、語り口に一定の形式があり、ストーリーテリングに向いている。創作のお話であっても、昔話の形式に近い物が、ストーリーテリングに向いている。

(6) 大人も子どもも「お話を聞く」楽しみを
  現代社会は、大人も子どもも忙しく、言いっぱなし、聞きながしで、きちんとした言葉のやりとりが廃れ、人間関係も希薄になっているように見受けられる。また、携帯電話やインターネットの普及、視覚資料や映像の多用なども、そのことに拍車をかけているように思える。こういう状況だからこそ、「お話を聞く」という機会が必要とされているのではないか。これからもストーリーテリングを通じて、「おはなし」の楽しさを伝えていきたい。



講座で紹介された図書:
  『子どもたちをお話の世界へ』(E.コルウェル著/こぐま社)
  『グリムおばさんと呼ばれて』(シャルロッテ・ルジュモン著/こぐま社)
  『お話を子どもに』(松岡享子著/日本エディタースクール出版部)
  『ストーリーテリング―その心と技―』(エリン・グリーン著/こぐま社)
  『愛蔵版おはなしのろうそく@〜H』(東京子ども図書館)
  『子どもに語る日本の昔話@〜B』(稲田和子・筒井悦子共著/こぐま社)
    ※子どもに語るシリーズ・・・グリム、ロシア、中国など 
  『イギリスとアイルランドの昔話』(石井桃子編著/福音館書店)
  『子どもに聞かせる世界の民話』(矢崎源九郎編/実業の日本社)
  『日本昔話百選』(稲田浩二・和子編著/三省堂)
  『日本昔話ハンドブック』『世界昔話ハンドブック』(稲田浩二編/三省堂)
  『雪の夜に語り継ぐ』(笠原政雄語り/福音館書店)
  雑誌『こどもとしょかん90,2001年夏号』(東京子ども図書館)