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第4回 県立図書館とことん活用講座
 「
岡山弁再発見」

日時・会場・講師・参加者数

日時・会場

平成22年9月11日(土) 14:00〜16:00 (開場13:30〜)
岡山県立図書館2階  デジタル情報シアター

講師

青山 融(あおやま とおる)氏
          (岡山弁協会特別顧問)

参加者数

62名

講座の内容

■ はじめに
 運動では正しい筋肉や部位を意識して使わないと効果がないのと同じ様に、岡山弁(方言・なまり)というのは、普段何気なく使っているため、意識して正しく使わないと(なまらないと)共通語に飲み込まれて消えてしまう。この講座を機会にこれから意識して使って、少しでも消えていく速度を遅くしていきましょう。

■ 岡山弁を意識するようになった経緯
 生まれて小学校入学前まで津山市に住んでいたが、小学校入学で岡山市に来たら友達の話す言葉がきつく聞こえた。それが岡山弁を意識した最初だった。
 高校では古典の時間に「気疎し(けうとし)=恐ろしい」を習い、「気疎し」がなまって「きょーてー」になったのだと気が付いた。古語辞典を見るとほかにも「夜去り(夜の意)」や、「去ぬ(「いぬ」と発音 帰る、去るの意)」などを見つけた。他県の人に岡山弁で「サル(去る)をイヌと言う」と教えると場が盛りあがること間違いない。

■ 備前・備中・美作・各地で綺麗に分かれている例
 丁寧な命令形(〜しなさい)は、ほぼ備前・備中・美作・各地で言い方が異なっている。順に「みられー・みねー・みんちゃい・みんさい(みんせー)」、「こられー・きねー・きんちゃい・きんさい(きんせー)」など。なお、「しなさい」の場合は「せられー・しねー・しんちゃい・しんさい(しんせー)」となるので年配の方への呼びかけや病院での使用は控えましょう。
 先ほどの「去ぬ」を丁寧な命令形(帰っておきなさい)で比べると、「いんどかれー・いんどきねー・いんどきんちゃい・いんどきんさい」となる。ちなみに「放っておきなさい」は「ほっとかれー」となる。美作では「しんちゃい」、「みんちゃい」と「ちゃい」をよく使うし、県全域で「何(なに)」は「なん」と言うので(例、「なんしよん」(何をしているのか))、岡山県人はインド料理大好きなのではないか。

■ 雑誌の読者投稿の傑作集
 OKD(おーけーでー)・・・「大きいぞ」  CBD(しーびーでー)・・・「すごく渋いぞ」
 KDD(けーでーでー)・・・「これは誰だ」  DDD(でーでーでー)・・・「誰々だ」
 ATUTT(えーてーゆーてーてー)・・・「会いたいと言っておいて」(以上、アルファベットで表す例)
 「けーちもーめーでー」事件(これを小さくめげて=このお札を小さく崩して=両替して)は日本語と認識されなかった例。
 「けーここけーけー」事件(ケイコ、ここに来い)は人間どころかニワトリ語と認識された例。

■ 岡山弁の特徴
 岡山弁で「〜と言う」、「〜と思う」の「と」は省くことが多い(と抜け)。
 語尾をべたーっと伸ばすことが多いので表記に直すとやたら「ー(長音表記)」が目立つ。「でーでーがでーとでーとでー」(誰々が誰とデートなんだ)など。

■ 映画の方言監修
 『カンゾー先生』の場合は台本をチェックして送り返すだけで良かったが、『バッテリー』や『釣りバカ日誌18』は役者の分だけテープに起こす必要があった。
 自分の中で、どこまでは岡山弁(なまり)にするしないを決めてチェックするが、話の筋が見えなくなるほど岡山弁化させたり、美貌の女優にきつい岡山弁を言わせるのはやめておいた方がよい。

■ 2重母音の変化
 岡山弁の入門編とも言える。これをマスターすればだいたい岡山弁らしくなる。
 「あい(ai)」、「あえ(ae)」、「えい(ei)」、「おい(oi)」、「おえ(oe)」は一括して「えー(e−)」に変化する。例として、「どえらい(doerai)」→「でーれー(de−re−)」、「太い(futoi)」→「ふてー(fute−)」、「長い(nagai)」→「なげー(nage−)」など。
 例外は「うい(ui)」で、「寒い(samui)」→「さみー(sami−)」となる。

■ 助詞の融合
 岡山弁の中級編と言える。ここらで県外の人はついて行けなくなる。
 助詞の「は」、「を」、「に(へ)」の前の語尾が何音で終わるかで、融合する形が決まっている。
 例として「岡山(okayama)」の場合「は・を・に」の順に、「岡山(okayama)は今日も」→「おかやまー(okayama−)今日も」、「岡山を旅する」→「おかやまー(okayama−)旅する」、「岡山へ行く」→「おかやめー(okayame−)行く」と融合する。
 i音の例では、「海(umi)は青い」→「うみゃー(umya−)青い」、「海(umi)を見る」→「うみゅー(umyu−)見る」、「海に(umi)行く」→「うみー(umi−)行く」。
 u音の場合は「は・を・に」の順に「a−・u−・i−」、e音の場合は「ya−・yo−・e−」、o音の場合は「a−・o−・e−」と融合する。
 u音と「に」の融合の例、「焼き肉(yakiniku)に行く」→「やきにきー(yakiniki−)行く」を力まずにさらっと言える人は岡山弁の達人と言えるのではないか。
 なお、助詞の融合の例外は語尾の末尾が「ー(長音)」と「ん音」で終わる場合。「社長(shacho−)は」や「ロンドン(rondon)に」の場合は融合しない。

■ 歌の岡山弁化
 例として「氷雨」(作詞:とまりれん 翻訳:青山融)をあげているが、皆さんもぜひ自分の好きな歌を岡山弁化して遊んでほしい。どう岡山弁化するかわからないときは、歌詞のシチュエーションを自分に当てはめて「自分だったらどう言うか?」と考えるとわかりやすい。

 始終楽しく笑いの絶えない講演で、講演後閲覧室に移動して岡山弁に関する資料を見られる方も多く、講演に対する参加者の高い満足度がうかがえました。



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<講座の様子>

 講座の様子 写真1

講座の様子 写真2    講座の様子 写真3